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コロタイプ
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コロタイプ

​コロタイプとは

コロタイプは、写真術草創期の1855年にアルフォンス・ポアトヴァン Alphonse Poitevin(1819-1882 仏)によってその原理が発見され、1868年ヨセフ・アルベルト Joseph Albert(1825-1886 独)で実用化された顔料(ピグメント)による写真印画技法です。最近では古典印画技法(オルタナティブ・プロセス Alternative Photographic Process)と呼ばれるもののひとつにあたります。

当時の写真印画は画像の保存性が低く、次第に退色変色する欠点がありました。

それを補うために顔料を用いる様々な印画方法が考案されましたが、そのなかで確立された技法のひとつがコロタイプです。これによって高い保存性を獲得しただけでなく、ひとたび版に顔料を入れると版画の要領で多数のプリントが制作可能なことから、精緻な印刷技法として発展していくこととなりました。世界最古の写真印刷技法と呼ばれる所以です。

コロタイプの「コロ」とは「膠(にかわ)」すなわち「ゼラチン」のことです。「コラーゲン」などと同じギリシャ語で「膠」を指す"kolla"を語源とします。つまりコロタイプは「ゼラチン版」という意味で、この名称は1889年パリで開催された国際フォトグラフィー会議で採用されたました。ドイツでは「光による印刷」という意味の"リヒトドルック Lichtdruck"と呼ばれ、日本ではガラス板を使うことから"玻璃版"とも呼ばれます。

コロタイプはポアトヴァンの発見した「感光液を含んだゼラチンは光に当たると硬化する」という性質を利用しています。そのプロセスは次の通りです。

① 感光液を含んだゼラチンを塗布したガラス板に写真のネガフィルムを密着させ
紫外線に当てる  

 (露光)。


 光の透過量に応じてゼラチンが硬化し、画像がそのままゼラチン版に焼き付けられる。


 ゼラチンは水を与えると膨張するが、硬化した部分は水分を含まず膨張しない。

  つまり画像が光の透過量によってゼラチンの硬化度合に置き換えられ、さらに水分を与える

  ことで硬化度合がゼラチンの膨潤度合という凸凹に置き換えられる。


 シャドー部は深い谷、ハイライト部は浅い谷となり、そのなめらかに連続する谷の深さに応じ 

  て油性のインキが入る。


 これを紙に転写すると、フィルムの持つ豊かな諧調そのままの画像がプリントされる。
 

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